
- 生産国
- イギリス オランダ ドイツ 日本その他
- 生産地方
- 分類
- タイプ
- オールド・トム・ジン、コンパウンド・ジン、ジュネヴァ、ドライジン、シュタインヘーガー、プリマス・ジン
- 主原料
- トウモロコシ 大麦 麦芽
ジンの有名銘柄
タンカレー、ボンベイ・サファイア、ゴードン、エギュベル、ギルビー
ボタニカルな香りが特徴のスピリッツ「ジン」
「セイヨウネズ」の香りが特徴の蒸留酒「ジン」ー蒸留酒の代表的な存在である「ジン」。
大麦等の穀物を蒸留した後に、植物の香り成分を再度加えて蒸留して造られています。
香味として選ばれる植物には様々なものがあり、メーカーによって大きく香りの差が出るのもジンの特徴のひとつ。
しかし数種類の香料の中に「ジュニパーベリー」を使うというのが原則です。
「ジュニパーベリー」とは日本名では「ネズの実」(セイヨウネズ)と呼ばれる植物。
そもそも「ジン」という言葉はフランス語の「ジュネヴリエ」が原語となっていると言われているのですが、この「ジュヴェヴリエ」とはフランスで言う「ネズ」のこと。
言ってみれば「ネズ酒」というような意味合いなわけですね。
ジュニパーベリーの香りは「松脂」にちょっと似ています。
この香りをベースにコリアンダー等の風味を加え、爽やかな後口の良い香りとしているのです。
ヨーロパ各地で生まれた「ジン」の種類
ージンは元々オランダで造られ始めた酒。
現在でもオランダでは、他とは異なる独自の手法でジンを作り続けています。
他のジンに比べると麦芽の成分が多いため、ビールのような麦の香りがするのが特徴。
これに対してイギリスのジンは麦芽の他にトウモロコシ・ライ麦等の様々な主原料を用います。着香料についてもジュニパーベリー以外に様々なバリエーションが有りますが、残念ながら殆どのイギリスメーカーがこの配分料を公開していません。
現在日本で「ジン」と呼ばれるのはこのイギリスの「ドライジン」のことです。
また、ドイツのジンは後からジュニパーベリーを加えるのではなく、生のネズの実を発酵させて作ります。
そのためドライジンに比べると香りが優しく、女性らしさを感じられる酒となっています。
ジュニパーベリーは北ヨーロッパを中心に欧州の多くの土地で生育されているため、このようにヨーロッパ各地で独特のジン作りが行われてきました。
「トム・コリンズ」に許されるジンは一種類だけ?
ジンは蒸留酒の中でもクセが少ないため、カクテル作りには最適の酒と言われています。
マティーニ、ギムレット等を始めジンベースのカクテルは豊富です。
中でも有名なのが「トム・コリンズ」。
サリンジャーの小説にも登場し脚光を浴びたこのカクテルですが、実はこの酒には元々は「決まったジン」を使わないといけなかったんですよ。
使うべきは「オールド・トム・ジン」。ードライジンが主流となる以前に造られていた、シュガーを加えた作り方をするこのジンこそが「トム・コリンズ」の要だったのですが、現在はドライジンでの作成が普通になっています。
ヘイマンズの「オールド・トム・ジン」を置いているバーに行ったら、是非昔ながらの「トム・コリンズ」を楽しんでみましょう。