
- 生産国
- 日本
- 生産地方
- 福井
- 分類
- 日本酒
- タイプ
- 純米吟醸
- 主原料
- 五百万石
竹田酒造店は、創立が慶応2年の老舗、新潟県上越市にある酒蔵です。どちらかというと、規模は大きくない酒蔵ですが、周りに踊らされることなく、一本筋の通った信念を貫いてこられた、そんなお店です。というのも、80年代、世の中は端麗辛口がブームとなりました。同じ上越市内の酒蔵も、ブームに乗って端麗辛口に乗り換えていったそうです。そんな中、竹田酒造店はかたくなに「お米の旨さ」にこだわり続けました。そして、その完成品ともいえる銘柄が「大吟醸・雪舟」です。今でも地元の人に愛され続けているお酒です。
原料は兵庫県産の山田錦のみ。その味わいは、コクのある旨口です。口に含むとふっくらと柔らかく、そして辛みの中に甘味が感じられます。
「本来日本酒は味があるもの。口に含んだ時パッと深みが広がり、喉元でスッと切れる。そう言う幅のある酒が理想。需要があっても水のような酒は造らない」
土地とともに生き、成長する、という信念のもと酒づくりをされているのです。
そんな雪舟に、「春毅」という名のつくものもあります。
これは、十代目となった、竹田春毅さんの作られたものです。地元でもなかなかお目にかかれない、「幻の酒」と言われているとか。竹田酒造店ならではの「小仕込み」で「低温で発酵に長期間かけ」られたお酒です。使用されているお米は、山田錦と、新潟産の越淡麗。そのため規格は純米吟醸になります。けれど、その味わいは大吟醸に匹敵するほど。芳醇で、深みのある味わいです。
「甘い酒を甘く感じさせず、辛い酒を辛く感じさせない。濃潤な酒を重く感じさせず、最高の深みとキレと芳香を目指し、小仕込み低温発酵にて限定で醸しました」
と春毅氏は語っています。
その通り、口に入れると甘味が静かに寄ってきて、でも決して甘すぎることはありません。やがて口の中で旨みが膨らみますが、どこかさらりとしていて、やってくるのは仄かなピリリ。辛いわけではありません。酸味と渋みは少なく、あくまで旨みを上手にサポートしている。まさに、春毅氏が言われる通りのお酒に仕上がっています。決して大きい酒蔵ではないけれども、伝統を守ってこられたからこそつくり出せる味があります。
手抜きなく、熟練の杜氏の手によって丁寧に作り出される名酒・雪舟。それは他の酒蔵が真似のできなかった、深い味を生み出すことに成功したお酒です。
一口のめば、「お米」の味が感じられる日本酒を味わうことができるでしょう。