
- 生産国
- 日本
- 生産地方
- 宮崎
- 分類
- 焼酎
- タイプ
- 芋焼酎
- 主原料
- 紫芋(紫優)
赤霧島は他の霧島シリーズと異なり、紫芋「ムラサキマサリ」が原料となっています。紫芋から作られるお酒ですが、色合いは透明。それではなぜ「赤」なのでしょうか?
それはムラサキマサリに含まれる、豊富なポリフェノールとクエン酸が化学反応を起こし、醸造中にもろみが真っ赤に染まることが命名のもとになっているためです。赤霧島は醸造中、真っ赤な色合いを示すのです。
次に赤霧島の風味ですが、水割りで飲んでもすぐにわかるほど、紫芋独特の甘みと気品高い芳香を漂わせるお酒で、黒霧島のような黒麹仕込み由来のコクや、白霧島のような米麹由来のすっきりとした飲みやすさはありませんが、非常にパワフルな、喉にガツンと来る旨味のある芋焼酎となっております。その風味の力強さは、霧島酒造の焼酎の中では、最も好き嫌いが大きく分れる芋焼酎と言えます。
ムラサキマサリが非常に貴重で「幻の芋」と呼ばれた頃は、この赤霧島もまた貴重なお酒となっていました。限定醸造による希少性とその旨さからプレミアが付いた赤霧島は、九州を飛び出すとひとたび3倍、4倍の値段がつくような手に入りにくいお酒だったのです。
ムラサキマサリの収穫量が増え、赤霧島の生産がスムーズになった今では、そこまで赤霧島は高騰しなくなりました。東京では黒霧島と同等の値段で販売している居酒屋もあるほどです。
もともと赤霧島は鹿児島県内の「マニアックな酒飲み」に向けられて作られたものです。それが全国で人気を博した原因は、2000年前後の焼酎ブームにあります。焼酎、特に芋焼酎の人気は当時すさまじいものがあり、TV番組では黒霧島が何度も何度も紹介されるほどでした。そこで生産本数の限られる赤霧島にも人気の火がついたのです。
赤霧島の原料であるムラサキマサリは品種改良によって生まれた芋で、そのルーツは「山川紫」という紫芋にさかのぼります。実はこの山川紫、ムラサキマサリ以上の「幻の芋」と呼ばれており、鹿児島県の山川町で偶然自然に自生しているところを見つけられ、収穫されたものなのです。この山川紫がどうして鹿児島の地で自生していたのかは、未だに解明されていません。一説では、鹿児島の漁師が遙か彼方の南の島から持ち帰り、自分の村の荒れ地に植えたことが始まりであるとも言われています。