
- 生産国
- 日本
- 生産地方
- 新潟
- 分類
- 日本酒
- タイプ
- 本醸造、大吟醸、純米酒、純米大吟醸
- 主原料
- 五百万石、新潟早生
久保田といえば、日本酒ファンならば誰もが知っている銘酒です。このお酒は米どころ新潟県の長岡市にある朝日酒造株式会社の商品です。
久保田は従来の日本酒のイメージを変えたといわれるほど、画期的な新商品でしたがその銘酒が誕生した裏には次のような話がありました。
朝日酒造の前身は、1830年創業の「久保田屋」でした。そして1920年に朝日酒造が設立されました。銘酒「久保田」誕生のきっかけは、当時行われていたシェア拡大目的の「量産酒」への疑問からだったのです。
時代とともに量産酒への消費者離れが始まり、このことに気づいたのが当時の新潟県醸造試験場長の嶋氏、そして4代目朝日酒造社長の平澤氏でした。二人はそれまでの「量産酒」から「高品質酒」への切り替えをはかったのです。「安ければいい」という消費者の姿勢も変化し始めたころで、新しく開発した日本酒は「久保田」と名付けられました。これは「創業当時の先人の気持ちに立ち返る」という思いを込めて名づけられたものでした。
高品質をモットーに生まれた久保田シリーズ。1985年に千寿と百寿でスタートしその後、純米大吟醸酒「萬寿」をはじめ数々の銘酒が生まれてきました。
現在では常時発売されているのが5種類あり、萬寿はもちろん、純米大吟醸山廃仕込み「碧寿」、純米吟醸「紅寿」、吟醸「千寿」、そして特別本醸造「百寿」です。
また他に2種類が季節限定で発売されています。一月限定の「吟醸「生原酒」と、4~9月限定の大吟醸生酒「翠寿」です。
発売当初はなかなか手に入りにくかった「久保田」ですが、最近では比較的手に入り易くなっています。値段は1.8Lですと、最高峰の「萬寿」の8000円台から、「百寿」の2000台まで選択肢も豊富です。
もちろん種類によって特徴はありますが久保田シリーズは、飲みやすく、すっきりしたのど越しが特徴です。これまでの日本酒独特の「酒臭さ」が少ないことから、日本酒ビギナーや日本酒が苦手だという人にも受け入れられやすいお酒です。
農業や工場で働く人が多かった時代には、甘口で強めの酒が好まれていました。しかしホワイトカラーが増えた現代では、すっきりして飽きない酒が好まれるようになりました。そしてそのような好みに合った久保田は、女性の間にも人気が出てきたのです。
今では優れた日本酒の代表格久保田ですが、和・洋・中といった様々な料理と一緒に楽しめることも人気の秘密ではないでしょうか。米どころ新潟で育まれた高品質の久保田は、首都圏を中心に全国で愛されています。