
- 生産国
- 日本
- 生産地方
- 鹿児島
- 分類
- 焼酎
- タイプ
- 芋焼酎
- 主原料
- さつまいも
焼酎がお好きな方なら一度は聞いたことがある、もしくは飲んだことがあるのが「魔王」だと思います。入手困難とされるプレミア焼酎のひとつで、一時期入手困難となった経緯もあります。スーパーなどの量販店では見かけませんね。そんな「魔王」の魅力についてご紹介したいと思います。
まず魔王の特徴からです。魔王は、鹿児島県肝属郡錦江町の酒造メーカーである白玉醸造合名会社から製造・発売されている芋焼酎の銘柄のことをいいます。製造工程では、麹として清酒に使用する「黄麹菌」を使用していて、凝縮したエキス分と甘味が特徴です。アルコール度数は25度となっています。
芋焼酎というと独特の匂いを想像され、挑戦しづらいという方もいると思います。
しかし魔王はその名前とは裏腹に、芋焼酎独特の癖が少なくスッキリとした口当たりです。口の中にフルーティーな柑橘系の香りが立ち、女性でも飲みやすいのが特徴です。記念日や食卓での一杯など、幅広いシーンにふさわしい焼酎として楽しまれています。
次に魔王ができるまでの歴史についてです。製造元の白玉醸造は明治37年(1904年)に本土最南端の大隅半島(現在の鹿児島県)に創業しました。今から数十年前までは第二次焼酎ブームと呼ばれ、「二階堂」や「いいちこ」といった麦焼酎が人気を集めていました。そんななか白玉醸造は若者の焼酎離れを危惧して、だれにでも飲みやすいお酒をと「魔王」を作り出しました。最初は広く知られなかったようですが、試飲販売などを通して徐々にその知名度は高まり、第三次焼酎ブームのころに人気に火が付き、いまではプレミアまでつくほどの芋焼酎の代表格となりました。
現在は、芋焼酎の「森伊蔵」や「村尾」と合わせて「3M」と呼ばれています。
最後に、魔王に関する逸話をご紹介します。
魔王というネーミングについてです。これは樽で熟成される際に、蒸発によって失われる分を「天使の分け前」というのですが、その天使を誘惑して、魔界へ最上のお酒をもたらす悪魔(魔王)にちなんで命名されたと言われています。
また、定価では数千円で購入できる魔王ですが、プレミアになった要因といわれるのがメディアでの紹介です。著名人ではソムリエの田崎真也さんやお酒に詳しい歌手の福山雅治さんも大絶賛しているといわれています。
熱心なファンも多いゆえ、空瓶をインテリアとして使用するなどの用途で、なかには空瓶であっても買取をしてくれる酒屋まで存在するようです。